日曜日の夜の別れ話

この日曜日、月曜日とイベントの仕事だった。

立ちっぱなし系の仕事で疲れたあとは、
お茶をして気分転換をしてから家に帰る。
タバコを吸わないので、お砂糖を入れて甘めにした
ロイヤルミルクティーに助けられる。

日曜日、いつものごとくお茶をしていた。
ホケッとしながら、次のライブのことを考えたり
人間ウォッチングをしたり….

この日は、ひとつ隣の席のカップルがたいへんなことに。。。

「今日は顔を見にきた」
と言った、彼の言葉からはじまった。
そんなこと言われてみたいわ~と思って聴いていたのだが
とても深かった。

話を要約すると、このアラフォーカップルの
「伊藤君」と「きょうこさん」
結婚できない関係にあるみたい。

きょうこさんは、2月から別れ話を伊藤君にしている。
彼女いわく「ずっと話が平行線」だと。
伊藤君が別れたくないと、ずっと言っているそうだ。

きょうこさんは、言った。
「実家暮らしで(ゲッ)甘えていたから
これからは、ひとりでも生きていけるように
仕事をちゃんとしようと思う(ゲゲ)」

「2月から話し合ってきて、伊藤君との関係は何もかわっていない。
私は独りで生きていくか、またいい出会いがあったら
お嫁に行くという選択をとるから」

衝撃的だったのは
「あのね、女にはリミットがあるの。
男より早いの、私にとって今の関係はしんどいの。
産婦人科に行って、お腹の大きい人が隣にいるとすごくつらいの。
年上の友達は、みんな言ってる。
40過ぎて、自分もそういう悲しい気持ちになりたくないの」

きょうこさんは、子供が欲しいんだ。

伊藤君が顔を両手で覆った。

「伊藤君の気持ちが見えず、ズルズル続けてるならやめたいの。
先のこと見据えてくれるなら、安心して付き合えるけど、違うでしょ?」

不倫なのか、なにか事情があって伊藤君は「結婚できない」のかは
わからなかった。

伊藤君はきょうこさんと、別れたくなく、今の関係でいいそうだ。
そして、きょうこさんのことを好きだとも言った。

きょうこさんが言った。
「クイックレスポンスでお願いします」
「……」
「名残惜しいとか、女々しいこと言うなよ」

だんだん、きょうこさんが怖くなってきた。

すると、伊藤君が
「いったん終わりにします」
きょうこさんが一言。
「わかりました」

伊藤君が何か言った。
「何回同じ話するの?ハ?」
二人は席を立った。
最後に聞き取れた、きょうこさんの言葉。
「泣いてないよ、ナミダも枯れたわ」

きょうこさんは、優柔不断でも伊藤君のことが好きだったんだ。
たとえ、口だけでも「将来のことは考えてる」って
言って欲しかったんだ。

多分、伊藤君はまじめな人で、できない約束はできない人だったんだ。

きょうこさん、よく決心したな、と思う。
いつか、はっきりさせなくてはいけない関係なら
早いほうがいい。
きょうこさんの新しいスタートを祈ります。